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エクゼクティブコーチング・リーダー育成の現場から、思ったことや考えたこと、学んだことをつれづれなるままに発信してゆきたいと思います。リーダーなんてなりたくないという声も聞きますが、リーダーはカッコイイ!。一人一人がリーダーシップを持つ世の中の実現のために取り組んでいます。

帝王学の歩き方:「偏信」を捨て、「兼聴」せよ

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「貞観政要(じょうがんせいよう)」という一冊の本が、大昔の中国の歴史の中で誕生します。これが後に「帝王学」とされる考え方が書かれた本で、呉兢(ごきょう)という部下が中宗という皇帝に献上したと言われています。
日本は中国に大きな影響を受けていました。
この本があるときに日本に持ち込まれ、まずは天皇の必読書として献上され、その後も民間でも知識人の必読書として広く読まれるようになります。さらには僧侶らにも広まり、この本に影響されたとする法話も数多くあるようです。

私には難しすぎるので山本七平氏による「帝王学 貞観政要の読み方」をちびりちびりと読み進めているところですが、この貞観政要という本にはたくさんのリーダーとその周りの人たちのやり取りが書かれているようです。


山本七平氏は、あるやり取りの解説をこんな風に描かれています。

以上の描写で実に面白いことは、部下たちは秦王である世民に、実にずけずけと率直に意見を言っていること、同時に、世民はこれを当然として、自分の案がみんなから拒否されても少しも感傷的にならないことである。

確かにその通りで、部下は命がけの進言であったのかもしれませんが、こんなやり取りはザラに見られます。
当時の皇帝たちは、周囲に優秀な人材をたくさん集めました。単に頭がいいというだけではなく、時には手厳しい意見を言ってくれるような人も国にとって必要だと思えば積極的にその声も登用しました。そのようにしながら国の未来をどのようにしたらいいのかの自分の答えを見つけてゆき、国の発展と維持を実現していったようです。
時にいい意見にはボーナスのようなものを出したということも書かれていて、そこがリーダーの器であり一緒に働く部下たちには徳のある人だと映ったことでしょう。

誰にとっても自分自身にとって耳の痛い意見を聞くことは、なかなかできることではありません。最近「面倒だな〜」と思いながら人の話を聞いた場面を思い返したのですが、きっと顔に出まくっていたに違いありません。
まだまだ心が弱く、謙虚さに欠けるのだなと振り返りました。

周囲の人が勇気を出して意見を言ってくれるのが先なのか、自分が謙虚に聞くことを始めるのが先なのかは卵と鶏の関係のようですが、「面倒だなぁ〜」と感じている時は何かのサイン。そんな風に思って、傾聴という謙聴を心がけて行きたいと思います。

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